化粧品などをみていると医薬部外品とか薬用化粧品といった表記を目にすることがあります。化粧品と医薬部外品の違いはなんなのでしょうか。医薬品と医薬部外品、化粧品などの違いにより肌にはどんな変化があるのでしょうか。医薬品だから効果があるとか、医薬部外品に該当するとかいいますが、わかりやすく言うと、医薬品と医薬部外品、化粧品は中に入っている成分濃度の違いもある様です。有効成分濃度が高くなると、医師の診察の元に使用しなければならないという決まりがあり、市販品は販売されておらず、クリニックなど医院で取り扱っている場合もあります。また、有効成分を表記できるのは、厚生労働省の認可を得た医薬部外品になります。医薬品・医薬部外品・化粧品の違いについてご紹介していきます。
医薬品とは
医薬品とは病気の治療を目的とした薬です。厚生労働省から配合されている有効成分の効果が認められているものが医薬品になります。医薬品には医療用医薬品と一般用医薬品(OTC医薬品)の二つに分かれています。
医療用医薬品
医師の診断によって処方され、処方箋がないと買うことが出来ません。また、薬剤師のいる薬局で販売されています。循環器系・感染症・精神疾患薬・脳疾患の薬などが医療用医薬品になります。強めの効果のあるお薬がメインになりますので、副作用なども考える必要があり、医師の指導が必要になります。
一般医薬品(OTC医薬品)
Over The Counterの略で、カウンター越しに販売できる医薬品ということになります。処方箋がなくても、ドラッグストアで薬剤師さんのアドバイスによって購入することが可能です。医療用医薬品に比べて、有効成分の量を減らすことで、効果を弱めて、安全性を優先させています。これらの薬は薬剤師や登録販売者のいる薬局やドラッグストアでの販売が指定されています。風邪薬や胃腸薬、点眼剤、保湿用外品、白色ワゼリン、滋養強壮剤などが挙げられます。
医薬品は、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品に分かれています。第一類医薬品は最もリスクが高く、書面を使った情報提供が義務付けられています。販売時の対応は薬剤師が行います。第二類医薬品は比較的リスクの高い医薬品です。購入者への情報提供も努力義務があります。販売時の対応は薬剤師か販売登録者が行います。第三類医薬品はリスクが比較的低い医薬品です。情報提供の義務は不要です。販売時の対応は薬剤師か販売登録者が行います。ネットでの購入は一部は出来る様子です。
発毛剤のリアップなどは第一類医薬品に分類されています。育毛ではなく発毛の効果があるということで、医薬品に認定されており、薬剤師のいるドラックストアでないと購入できません。日本で唯一発毛が認められた医薬品として販売されています。
風邪薬や胃腸薬などは第二類の医薬品に該当することが多いです。効能は一般の医薬品と比べると穏やかになっています。市販の風邪薬ではなかなか治らないというのは、成分が薄いからという理由もあるでしょう。風邪をひいたら拗らせる前に医師に診てもらって薬を処方してもらい、素早く治してしまうのがいいのではないでしょうか。
目薬などは第三類医薬品に分類されています。比較的副作用などのリスクの少ない医薬品が多いです。
医薬部外品とは
医薬部外品とは医薬品に準ずるもので、厚生労働省によって効果や効能が確認されているものの、作用が穏やかで副作用の少ないものをいいます。有効成分として、その成分名や効果効能を表記することが出来ます。薬用と表記されているものも医薬部外品になります。一般的に効果が穏やかなため、副作用のリスクも少なくなります。
定められた範囲内の成分、配合濃度を守り、申請を行って医薬部外品と認められると厚生労働省認可や薬用といった表記をすることが可能になります。医薬部外品は医薬品と化粧品の中間くらいの取り扱われ方です。医薬品よりも濃度や成分は穏やかなことが特徴です。
ニキビケアなどで使われる薬用ニキビケア商品などはこの医薬部外品に含まれていることが多いです。化粧品などでも臨床試験やモニターテストなどを行って、肌荒れや効能などをきちんと行ってから発売されている化粧品も多く存在します。厚生労働省の認可を得て販売していることで、その効能が認められていることになりますので、効果を期待してつかうのもいいでしょう。医薬品に比べると低濃度にはなっていますが、それでも薬用成分を含んでいるために副作用が出ないとは限りません。万が一肌荒れが起きるようなことがあれば、使用を中止して皮膚科で診察してもらいましょう。
医薬部外品では、全成分を表示する必要はなく、きめられている特定の成分をのみ表記すればいいことになっています。その成分とは通常は問題がないけれど、まれに人体にアレルギー反応を起こすことがある成分です。また医薬部外品では有効成分とその他の成分を分けて表示するようになっています。
化粧品とは
石鹸やシャンプー、スキンケア用品やメイク用品は化粧品に分類されます。薬ではないので、効能を明記することが出来ません。この化粧品は2001年に法改正がされて、厚生労働省の認可が不要とされていますので、メーカー独自で開発することが可能となっています。化粧品は医薬部外品よりもさらに効果が穏やかになっているものです。肌を美しく保ったり、髪の毛を健やかに保ったりすることを目的としています。ただ、「肌荒れに効く」とか「ニキビを防ぐ」といった効能や効果は認可されていませんので、パッケージに記載することができません。また、使用が禁止されている成分は使うことが出来ません。
化粧品扱いのものは、成分をすべて表記する必要があります。また、成分は配合比率の大きい物から順番に表記するという決まりもあります。本当にその有効成分が入っているかを確認したい場合には、内容成分をよく見てどの成分が先頭に来ているのかを確かめてみるといいでしょう。化粧水などだと水が一番先頭に来ている場合が多いです。有効成分配合と書かれていても、その順番が後ろの方にあるようであれば、配合量は微々たるものである場合もありますので、効果が薄い場合もあります。
まとめ
医薬品・医薬部外品・化粧品と種類がありますが、どれを使用するのか決めるのは自分です。医薬品などは効果が強いものが多いですので、医師や薬剤師の指導の下に使用することが大切になってきます。医薬部外品などは一応公に成分の効果が実証されているのですが、自分の肌に合うか合わないかというのはまた別になってきますので、使っている医薬部外品や化粧品が自分の肌に合っているかをしっかりと自分の肌で確かめる必要があります。医薬部外品であった場合にも肌に合わなければ使うのを止めたほうがいいでしょう。また化粧品などの場合には有効な美容成分があまり含まれていないというようなこともありますので、成分表示などの順番をよく見るようにしましょう。医薬部外品の中には、長期間使用していると副作用が発生するものもありますので、使用には注意が必要です。長期間使用してはいけないものもありますので、様子を見ながら使ってください。異常が現れた時にはすぐに使用を休止して、皮膚科で診察してもらいましょう。